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「夢の扉」http://www.tbs.co.jp/yumetobi/ は、毎週日曜日午後6時半から、TBS系で全国放映されている番組ですが、新しいことにチャレンジする人物に焦点を合わせ、今取り組んでいることと将来の夢、人物の人となりを紹介しています。ナレーションが宮沢りえさんということもありますが、ジャンルも幅広く、大変興味深い内容の番組です。
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今回、以前よりお付き合いのある、宇都宮大学雑草科学研究センターの倉持仁志先生が番組に出演されることになりました。先生は、与那国島などに自生するイワダレソウに改良を加え、「どんな劣悪な環境にも対応でき、増殖力は芝の十倍以上、しかも種で増えないため、他の環境には影響を及ぼさない」“スーパーイワダレソウ”を開発され、これが取り上げられました。その原種の撮影などのため、与那国島を訪れることになり、私も同行いたしました。番組は、平成18年10月22日に全国放映されました。環境を最優先する現在だからでしょうか、倉持先生のところには問合せ、試験植栽や講演の依頼などが数多く寄せられているそうです。
私は、今回初めてTV撮影に立会わせて頂き、撮影する側・される側の大変さを実感することが出来ました。 |
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日程
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夕方、石垣島で、宇都宮大学の倉持先生と合流。
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快晴
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朝、石垣空港で、東京から到着した撮影スタッフ(ディレクターとカメラマンの2名)と合流し、与那国島へ。石垣島が小雨模様だったので心配していたのですが、与那国島は快晴。
(もし、雨が降っていたり曇っていたら、一部撮影を中止することも考えていたようです。)
昼食後、すぐに撮影開始。
最初は、島の東部「東崎(あがりざき)」で、先生が与那国島を訪れた経緯やイワダレソウの原種の説明をしながら、撮影。(太陽が出ているのはいいのですが、とにかく暑い。)
光の加減やイワダレソウの状態など、良い映像 を取るため、場所を決めるだけでも大変。
撮影は、一箇所につき1時間以上。3テイク以上撮影し、その後、風景だけで更に1テイク以上。これを、何箇所かで繰り返します。
暑いので、車の中で待機していましたが、撮影の3人はすでに汗だくの状態。
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イワダレソウの原種を説明しながら撮影
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カメラマンは、10kg以上のカメラ(1千万円以上するそうです)を担いで、暑さ に耐えながら、ディレクターのOKが出るまで撮影を続けていました。
東崎には、木陰が全くありません。近くに公衆トイレがあるので、何度も戻ってきて、頭から水をかぶっていました。
途中、カメラマンが軽い熱射病のためか、頭がフラフラするというので撮影を中断。しかし、少し休憩し体調が戻るとすぐに撮影は続行されました。
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倉持先生の指導により、雑草が取り除かれ、
野生の芝が一面に育っている「東崎」(あがりざき)
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その後、車で移動し、雑草が繁茂しているような場所を見つけては、何箇所かで撮影。3人共、シャツに白い塩が吹き出していました。
与那国島で、今盛んに栽培・収穫が行われている、長命草の畑でも撮影。長命草(ボタンボウフウ)は、抗酸化力が高く、ミネラル分が多く含有されていることから、健康食品の原料として、注目されています。
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長命草の畑
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島を回り、西崎(いりざき)にある、日本最西端の碑などの、観光スポットや海岸線も撮影。
6時間以上に及ぶ撮影を終えて、日没のころ民宿に帰りました。
シャワーを浴びて、一息ついてから、いつもお世話なっている杉本さんの自宅に、島の人が10人以上集まり、夕食を開始。お刺身や馬肉、ヤシガニなど、珍しい島の食材がズラリ。お腹を満たしたところで、再び撮影を開始。島の人たちに、倉持先生のことをインタビューしたり、三線を引いて歌っている風景を撮影したり、終わったのは12時を過ぎていました。
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快晴
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今日も快晴。カメラマンたちは、既に日の出の撮影に出かけたそうで、朝食のときには、一仕事を終えていました。彼らはいつでも飛行機に乗れるよう荷物を整理して、撮影に出発。
昨日撮影をした、東崎を再び訪れ、今回は、軽トラックの荷台に、倉持先生とカメラマンが乗り込み、海岸の道路などを走りながら撮影。軽トラックは私が運転したのですが、初めて、撮影に協力が出来ました。
テレビドラマ『Dr.コトー診療所』の撮影現場付近に、自生のイワダレソウがあったので、これを撮影。
撮影を開始してまもなく、太陽が雲に隠れてしまったため、30分以上、太陽待ち。その後、何度か雲のため、撮影を中断。映像を取るだけで、2時間以上もかかってしまいました。
飛行機が離陸する30分前まで撮影は続き、ギリギリで、チェックイン。撮影スタッフは東京に帰っていきました。
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Dr.コトー撮影現場のイワダレソウ
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撮影は、与那国に到着後、丁度丸1日行われました。撮影側は、放映までの時間がないこともあり、撮影漏れのないよう必死でしたし、それに付き合っていた、倉持先生も大変でした。普通、TVでは、実際の放映時間の10倍程撮影するそうですが、これだけの撮影で、実際に使われたのは、5分もありませんでした。私も、チラッと夕食風景で映りましたが、島の人のインタビューも全てカットされていました。
実は、その後に撮影された、鳥取大学乾燥地研究センターでの試験結果が植物の特徴を最大限に裏付けるものであったため、こちらに時間をさいたものだと、わかりました。しかし、先生の研究する“スーパーイワダレソウ”のためには、その方が良かったと思います。これだけの撮影をして、使えない映像が殆ど、というのは一般のビジネスでは考えられませんが、その内容を追求するTVならではのこと(ヤラセは全くありません)だと思います。どちらにしましても、今回は大変良い経験をさせて頂きました。
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